エピソード7「看護実習生がやってきた」

看護学校の実習生がやってきた。
3年生ということである。
まだ20歳。若いなあ。
ここでは3週間実習をするそうだ。
実習担当の先生が、私を担当する実習生Tさんを紹介した。

Tさんは翌日の朝、9時頃やってきた。
「失礼します。おはようございます。Tです。よろしくお願いします。」
丸顔でゆっくり話す、おっとりした感じの実習生だ。
こちらも「よろしくお願いします。」と挨拶を交わす。

ちょっと緊張した顔つきで
「ご家族は何人ですか?」
「お子さんは何をしているんですか?」
「趣味は何ですか?」
話し方はゆっくりしているが、質問攻めにあってしまった。
これではいつまでも質問が続くかも知れない。
そこで、
「Tさんはどこの出身ですか?」と逆質問に転じ、質問攻めを防いだ。
こうして青森出身のふくよかで穏やかなTさんとの出会いが始まった。

実習初日、Tさん見守る中、3回目の化学療法が始まる。
点滴中に吐き気がひどくなり、その片付けをしてくれたのを覚えている。
そういえば吐き気止めの座薬を入れるところを見ていたんだった。
座薬を入れた看護師さんも今年大学を卒業したばかり。
いくら私が中年でも、ちょっと恥ずかしいではないか。

迂闊にも2週間ほど経ってからそれを思い出した。
それまで、全く思い出さず、意識の奥深くに沈んでいた。
しかし、いったん思い出すと、よけい鮮明に頭に浮かぶから始末に悪い。

そういえば、副作用で「物忘れが多くなることがある」と薬の説明書に書いてあった。
そして「このような症状が出たら担当の医師にご相談ください」とも書いてあった。「薬の副作用のせいで物忘れがひどくなったのでは?」と相談すべきか?
「副作用です」と言うだろうか?
「たぶん副作用のせいではないと思いますが。」と言われるかもしれないな。
聞いたら返答に困るに違いないが、聞いてみたい気もする。
普段から忘れっぽいことは、もちろん人には言わない。

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