エピソード9 「外泊で家に帰れる日」

エピソード9「外泊で家に帰れる日」

病院から外泊許可が出る。
外泊許可が出るのはほぼ毎週であり、金曜日の午後から日曜日までが多い。
家に帰ると、インターネットが使えるので外泊は楽しみなのだ。
最近はブログも作った。
帰宅する日には、妻は家の掃除を念入りにし布団を干す。
浴室やトイレもきれいに除菌する。
食事にも気を配っている。
医師の薦めもあってか、海草類がよく出るが飽きたなあ。
酸っぱいもずくは苦手だけど、もずくスープはまあ、おいしいかな。

気を遣ってくれるのはうれしいが、自分も大切にしてほしい。
妻は座ると居眠りをしていることがある。
一時期は疲れすぎて病院がよいもしていた。
今でも時々点滴を受けることがある。
疲れているんだなあと思うと、妻に心の中で感謝する。
でも、あまり疲れないでほしいな。

化学療法が始まって2週間が過ぎる頃、頭皮をさわると痛く感じるようになった。
そして、頭を洗うと髪の毛が抜けるようになってきた。
そっと髪を洗う。
「もっと短くしたらどう?」と妻。
丸刈りにするには、まだ未練がある。
「少し切ってみるか」と短めに切ることにした。
風呂場で上の息子に髪の長さを半分に切ってもらった。
「ずいぶん抜けるね」と髪を切りながら息子が言う。
「うん」としか言えない。
それでもハサミできれいに揃えてカットしてくれた。
ハサミ使いはさすが美容専門学校を出ただけのことはある。
その髪の毛も、面倒なので今は丸刈りだ。そのうち伸びてくるだろう。

その息子も私が帰宅した日には、仕事から帰ってくると、
「起きていて大丈夫か?」と声をかけてくる。
大学生である下の息子のほうも、私の探している本を見つけに行ったり、
温室管理の手伝いをしたり、何かと気を遣っている。
妻に言わせるまでもなく、なかなか思いやりのある息子たちだ。

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